4歳の孫に贈与が成立するか

よくある相続発生時の問題で資金源は亡くなった被相続人の資金で
孫名義の預金があります。孫は4歳です。
未成年では自身で管理もできず、贈与を受けた意思もありません。
その預金は被相続人に帰属することになりますでしょうか。

通常4歳の子供は無収入であるため、贈与されたものか名義を借用
しているものかのどちらかと考えられます。

未成年者は、民法上、制限行為能力者といい、未成年者が法律行為を
行う際には法定代理人(親権者)の同意が必要となります。

ただし、未成年者が贈与を受ける場合など、単に権利を得る、または
義務を免れる法律行為については法定代理人の同意は不要とされています。
また民法では、贈与を受ける人に対して年齢制限は設けられていません。

つまり、「贈与されること」は、単に権利を取得するものであり、子供が
単独でも可能となります。また親権者から未成年の子に対して贈与する場合
には利益相反行為にも該当しません。

したがって、未成年の子や孫に対して贈与する場合には、親権者が受諾すれば
契約は成立し、未成年の子が贈与の事実を知っていたかどうかにかかわらず、
贈与契約は成立すると解されています。

ただし、未成年の子又は孫固有の財産というためには、親権者である両親が証書
や印鑑を管理しており、かつ、贈与者(祖父母)からの贈与の事実が客観的に
明らかでなければなりません。

そのためには、通帳や印鑑を親権者が管理しておく、届出印を孫が使用している
印鑑にしておくなどとしておくといった贈与の事実がなければなりませんので注
意が必要です。